2018/05/03

4月中旬・下旬メモ②



21日(土)
池袋西武・三省堂で、天童荒太の新作『ペインレス(上・下)』、古川日出男の『ミライミライ』、そして集英社新書2冊『広告が憲法を殺す日(国民投票とプロパガンダCM)』(本間龍・南部義典)、『国体論(菊と星条旗)』(白井聡)を購入。

夜は、「ブラタモリ」を見ながら、東武の地下「魚力」で仕入れた、銀だら西京漬け、本マグロのブツ(山かけ用)、イカのわた和えなどを肴に軽く一杯。

晩飯の後は、NHK土曜ドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」(主演・神木龍之介)からのNHKスペシャル。さらに「有田Pおもてなす」「SONGS」まで、どっぷりNHK漬け。(BSプレミアムの日曜ドラマ「PTAグランパ」も面白いし、ドキュメンタリーの質・量も断トツ。これで政権への忖度見え見えの「ニュース番組」さえなければ、“やっぱりテレビはNHK”と言えるんだけどね)


23日(月)
『広告が憲法を殺す日』読了。
「憲法改正」は、半年に渡る「国民投票運動キャンペーン」が展開される国を挙げての一大イベント。その期間、膨大な額の「広告宣伝費」がメディアに流れるため、広告業界は「国民投票大特需がやってきた」というくらい千載一遇のチャンスと捉えているようだが、国民にとって(特に「護憲派」の人たちにとって)は、寧ろかなりピンチな状況……
何故かといえば、国民投票運動期間中の「キャンペーン資金」や「広告」に関する規制がほぼ無い現行の「国民投票法」のままでは、豊富な資金力をバックに世界最大の広告代理店「電通」と組む自民党が圧倒的に有利で、そのプロパガンダ戦略に「9条護憲派」は太刀打ちできなくなる。という“こわ~いお話”。(故に現在、立憲民主党などは「国民投票法改正」を検討中)

その本の著者・本間龍さんは元・博報堂の社員。広告業界とメディアコントロールに詳しく、東京オリンピックにおけるボランティアの在り方にも「全ての学生諸君は東京五輪のボランティア参加をやめましょう。なぜなら五輪はただの巨大商業イベントで、現在42社ものスポンサーから4000億円以上集めており、無償ボラなんて全く必要ないから。あなたがタダボラすれば、その汗と努力は全てJOCと電通の儲けになる。バカらしいよ」と警鐘を鳴らしている。(同時に、電通の一社独占事業である「ラグビーワールドカップ2019」の都市ボランティア募集に対しても「露骨な利益誘導」と批判を展開中)

私もそのボランティア募集要項案を目にしたが、活動期間は18時間程度で10日間以上、飲み物と11回(?)の食事、ユニホームは提供されるが、交通費や宿泊費は自己負担と言った感じで、まさに「ブラック・ボランティア」……(加えて、太平洋戦争で最も無謀と言われる作戦「インパール作戦」になぞらえて、「Tokyo インパール2020」というハッシュタグも立ちあがっている)

24日(火)
ーブルテレビの洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」で、バート・ランカスター主演の「泳ぐひと」(監督:フランク・ペリー/製作国:アメリカ、1968年)を鑑賞。(映画評論家・町山智浩氏のセレクトということで、映画の前に町山氏による短い作品紹介あり)

舞台はアメリカ・ニューヨーク州マンハッタン島の高級住宅地。主人公は、その地に建つ豪華な家々のプールを泳ぎ継ぎながら自宅に帰ろうという、海パン男(バート・ランカスター)。この男、住民たちとは旧知の間柄のようで海パン一丁の姿を訝られることもなく親しく言葉を交わしていくのだが(洗練された会話術、中年男らしからぬ筋肉美、明るい笑顔などなど、このソサエティの一員である所作を感じさせつつ)、終盤に近づくにつれ人々の態度は次第に険のあるものに変化していく。一体、彼の身に何があったのだろう? その過去と奇行の理由は?……という実に面白くも不可思議な映画だったが、終了後に絶妙な町山解説があったのが幸い。「なるほど、そういう話だったのか」と胸のつかえが下りた。

25日(水)
鉄人逝く……元・赤ヘル打線の主砲でカープの黄金時代を築いた立役者の一人、衣笠祥雄さん死去。有名な「江夏の21球」は衣笠さんの存在なくして伝説になることはなかったはず。「気は優しくて力持ち」、巨人ファンの私も彼が好きだった。合掌(亡くなる一週間前、見るともなくBS TBSの巨人戦を見ていたら、かすれた声を絞り出すように解説する人がいて、一瞬、誰だろう?と驚き思考が止まってしまったが、それが衣笠さんだと分かり、二度びっくり。まさか、こんなに早く亡くなるとは)

希望の党+民進党=国民民主党??……あまりのネーミングセンスのなさにドン引き。[優先すべき単語(国民と民主)を入れました]と言っていたけど、そういう問題じゃないし、下らないことに拘り過ぎ。(当然、政治センスも期待できない)

 26日(木)
「立憲パートナーズ」に応募。といって、立憲民主党の政策すべてに賛同しているわけではなく、「草の根からの声に基づく熟議の民主主義の実践」という基本姿勢への支持表明として。加えて、世論調査的に言えば「党首の人柄が信頼できるから」というのも重要なポイント。

27日(金)
朝鮮半島に平和の兆し……「韓国と北朝鮮の首脳が朝鮮戦争の終戦を年内に宣言することで合意」。朝から気分が高揚し、妙に嬉しい一日。

You Tubeで久しぶりにフォークルの「イムジン河」を聴き(併せて「キム・ヨンジャ」バージョンも)、昼は、南北朝鮮の平和と統一を願って冷麺を食べた。(盛岡風ですが)

にしても、平和憲法を持つ国が圧力、圧力の一点張りで、この歴史的なイベントに何の役割も果たせなかったのは、その国民の一人としてとても残念。情けなくも思う。(拉致問題すら韓国とアメリカに“おんぶにだっこ”の外注路線だし)

29日(日)
天童荒太『ペインレス』上巻読了……残り300頁という状況ながら、傑作の予感ヒシヒシ。背筋を冷たい汗が流れていくような、静かな興奮に心揺らされながら、この先どこへ誘ってくれるのだろう。

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