2018/02/28

忙しかった2週間のメモ




ここ10日ほど結構ヘビーな仕事を抱えていてブログも滞っていたが、昨日でひとまず一段落。

その間、世間(というかメディア)は平昌オリンピック一色、コチラは“コピー”一色という感じで、
さしたる話題もないのだが、とりあえず2週間のあれこれをサクッと。

214日(水)
『羊の木』全5巻(原作・山上たつひこ/作画・いがらしみきお)を一気読み。同名の映画も公開中で、あの「山上たつひこ」原作ということで前から気になっていたが、期待通り……とはいかないまでも、なかなかの面白さ。山上氏曰く「元受刑者と市民の生理、皮膚感覚とのせめぎ合い。徹頭徹尾それを書こうと思った」とのこと。

平昌オリンピック、スノーボード・ハーフパイプで平野歩夢選手が銀メダル……競技自体のダイナミックなスポーツ性もさることながら、解説者・中井孝治さんの「かっこいいですね」「スタイリッシュですね」「これおしゃれですよ」等々、文字通り“スタイリッシュ”な解説に魅了され、すっかりスノーボード・ファンになってしまった。

216日(金)
10時過ぎに家を出て、隣駅のTジョイで映画『羊の木』(監督・吉田大八)を鑑賞。その後、駅前の「タリーズコ-ヒー」で、軽めの昼食をとりながら仕事の準備。ネットでかき集めた環境問題関連の記事や論説にじっくり目を通してから、霞ヶ関の「日本プレスセンタービル」へ。
16時半から2時間ほど、そのビルの9階にある日本記者クラブ内の会議室で、とあるNPOがセッティングした対談に立ち会った。(対談はNPOが発行する広報誌の巻頭を飾るものだが、その書き起こしをデザイナー経由で依頼された次第)

「持続可能な社会」をテーマに語り合うのは、日本を代表する水資源の専門家・竹村公太郎氏と「おはよう日本」初代メインキャスターも務めたジャーナリストで元NHK副会長・今井義典氏。
対談は終始和やかな雰囲気で進み、18時半頃終了。そのままお二人のテーブルは食卓に。
(私はボイスレコーダーを二人の間に置き、隅のデスクでメモを取りながら聞いていただけ)
終了後、挨拶も早々に引き揚げ、同行したデザイナーのUEちゃんと二人、霞ヶ関駅近くの居酒屋で「お疲れさん」の一杯。

217日(土)
羽生・宇野両選手の男子フィギュア(フリー)も気になったが、前から行くことに決めていた講演会を優先し、ツレと一緒に田無の市民会館へ。

講師は戦場ジャーナリスト・志葉玲さん、講演タイトルは「パレスチナ 現場から考える平和への道」。併せて映像作品「忘れてはいけない記憶~西東京市にもあった戦争~」も上映された。

「パレスチナ問題」は以前から関心を持っており、歴史的経緯やイスラエルの占領政策および入植活動によるパレスチナ自治区の面積縮小など、ある程度のことは知っていた(つもりだった)が、命がけの取材を続ける人の声を通して知る現地の惨状は想像以上のもの。改めて、暴虐の限りを尽くすイスラエル軍(およびイスラエルに巨額の軍備支援を続けるアメリカ)に強い憤りを覚えた。
「中島飛行機武蔵製作所」と「武蔵野女子学院 散華乙女の碑」、「模擬原子爆弾(パンプキン爆弾)投下」など、西東京市に関わる身近な戦争の記憶をたどった映像作品もなかなかの労作。

218日(日)
ほぼ一日中、「対談」のテープ起こし。

夜は平昌オリンピック、スピードスケート女子500m……小平奈緒選手、オリンピック新記録で悲願の金メダル。韓国イ・サンファ選手の肩を抱き、共に健闘をたたえ合ったシーンは、とても感動的でこれまで私が見たオリンピックの中でも、最も美しい光景の一つだった。(帰国報告会での「やはり私にとって勇気とは覚悟することです」という言葉も印象的)

219日(月)~27日(月)
21日に確定申告で東村山青色申告会まで出かけた以外、仕事、仕事、仕事の毎日……対談のコピーを何とかまとめ上げた。ふーっ

以上、忙しかった2月も今日で終わり。明日は春一番が吹くという。

2018/02/11

続・こんな「つぶやき」読んでます。




平川克美
「下町ボブスレー」は、職人の技術力だけでラトビアに負けたのではない。日本自慢のチープな成功物語そのものが、寡黙で地道な職人が置かれている厳しい現実に負けたのだと思う。

大田区の旋盤工にして作家の小関智弘は、『錆色の町』や『羽田浦地図』、『大森界隈職人往来』といった作品を、チープな感動物語として書いてはいない。ただ、かれらに寄り添い、共感の気持ちを綴った。


oomisuzi
下町ボブスレー、日本スゴイのつまみ食い、大企業利権、役人の浅はかな思いつき、フェイクじみた名前、安倍ぴょんが自慢げ、道徳の教科書に載る、案の定結果はダメダメ、カネのために恥も外聞もなく、挙句に公式垢は保守速読者のネトウヨと、もう何から何まで完全無欠に「日本」そのものである

ガイチ
『夜にテレビで見ていて大田区の町工場の代表についてどうしても納得できない。契約反故にされて悔しいという涙目は根本的におかしくて、本来は選手が満足できる機体を作れなくて悔しいと泣くべき。根本的にあの涙は物作りする人のそれじゃない。だから衰退したんじゃないかとさえ思った』

布施祐仁
文在寅大統領が「わが国の主権の問題だ」と不快感を表したのは当然。他国に「軍事演習をやれ」なんて内政干渉もいいとこ。あり得ない。長年のアメリカに対する主権放棄に慣れ切ってしまい、他国の主権まで見えなくなっているのではないか。相当深刻。

異星人共済組合
NPTでの合意に反して核兵器使用のハードルを一気に下げるトランプ政権のNPRに、間髪入れずに諸手を挙げて賛成しているような政権が「非核化」などと主張しても全く説得力がない。そんな矛盾を抱えた勢力が強硬姿勢を貫けば貫くほど、北朝鮮は意固地になってミサイル開発を進めるだろう。

日刊ゲンダイ
「総理」著者で、レイプもみ消し疑惑の渦中にある元TBS記者・山口敬之氏との関係を、「ただの番記者だ」とムキになって否定した安倍首相ですが、なんと山口氏の披露宴に出席して祝辞まで述べていたことが分かりました。記事は本日の3面に掲載。日刊ゲンダイは駅売店かコンビニでお求めください。

かつて河野外務大臣は、「アメリカが言っていることを、そのまま後ろをついていくだけで、それでは、あの広島、長崎で亡くなった方に対して一体全体我々は何をやってきたのかということなんだと思います」と当時の岸田外相に啖呵を切っていました。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223012  #日刊ゲンダイDIGITAL

これまで佐川長官の国会招致をかたくなに拒否してきたはずが、突然「協議する」と態度を豹変させた自民党。「安倍首相は昭恵夫人の国会喚問を求められることに強いストレスを感じている。いけにえにして差し出すつもりだろう」と官邸事情通は話します。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223011  #日刊ゲンダイDIGITAL

※喜ぶべきか、悲しむべきか……「権力と社会悪に対する監視者」というメディアの役割を、いま最も忠実に果たしているのは「日刊ゲンダイ」かもしれない。

盛田隆二『焼け跡のハイヒール』祥伝社
【週刊新潮】山口敬之氏の「レイプ被害」を訴える詩織さんを中傷する資料(=あたかも民進党の党利党略で告発を仕組んだかのようなチャート図)がネット上に散見。 自民ネトサポの仕業と思ったら、なんと内閣調査室がマスコミに配布したものだった。


本田由紀
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/198569 …「警察庁の「死体取扱数等の推移」を見ると、「変死体」の数は10年前には1万2747体だったが、一昨年は2万211体と約8000体増えている。比例するように自殺者数はこの10年間で8000人減っているのだ。」

ガイチ
一応それなりの大手報道機関が取り上げたというのは、アレ本当のネタだったの?もう勘弁してくれよ、流石にさ……/安倍首相、朝日の『森友』釈明に批判書き込み「哀れですね。惨めな言い訳」 https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180210/soc1802100006-n1.html  @zakdeskより

※「哀れですね。惨めな書き込み」(共産党・小池晃氏のツイート)

船田クラーセンさやか
…えっと、NHKどうしたの?本当に NHKの公式ツイート?誰かに乗っ取られたんじゃなくて?どうしてこれが【緊迫】?誰が緊迫してるのかな、NHK?戦争回避したいんだよね?なら、首脳会談、結構じゃない?そもそも同じ民族で、いつか統一を掲げた2国。「間違いありません」…これ報道じゃないよね?

【緊迫 #北朝鮮情勢】キム委員長が、韓国に特使として派遣した妹を通じて、ムン大統領に南北首脳会談の開催を提案。北朝鮮の狙いが、米韓同盟の分断にあるのは間違いありません。詳しく特設ページで!
http://www3.nhk.or.jp/news/special/northkorea_provocation/ 

梁英聖@『日本型ヘイトスピーチとは何か』(影書房)
百田尚樹のデマを未だに信じて私たちを名誉毀損する者が後を絶たない。 有名人のデマと差別は一度でも流布すると半永久的に被害者を苦しめる。 当の百田は、私がFIFA公認の差別監視員資格を持ちARICも公共性の高い国際NGOだからだと気づいて以来、攻撃ができなくなっているのですが…。 卑劣すぎます。

千田有紀
この「あたしおかあさんだから」、女性をお母さん役割に追い込むところも問題だけど、独身女性を「立派に働いていると思ってた」と揶揄したり、おかあさんは「パートでいい」っていっていることも問題だと思うんだよねぇ…。

星田英利
いや、まずあんたがアルマーニ着てませんやん!笑

 

 


2018/02/10

こんな「記事」読んでます。





アベノミクスの嘘を暴いた弁護士「安倍首相は思考停止」129日)
“一億総玉砕”とは、あな恐ろしや。(どんな経済政策にも光と影はあるだろうけれど)

イーストウッド、90歳の麻薬運び人に!主演&監督で実話映画化か…131日)
3月劇場公開の『1517分、パリ行き』も楽しみだが、それ以上にワクワク感が募る。

本田圭佑、橋下徹が互いにエール交換 テーマは憲法9条と日米地位協定131日)
若者の自殺に対する「政治のせいにするな」「他人のせいにするな」という理不尽な発言(説教?)に続いて、これではなあ……サッカー選手・本田圭佑の大ファンとしても、情けないやら悲しいやら。ただ一言、アホ!と言いたい。

鹿島の内田篤人が安倍首相主催の夕食会に参加!シャルケファンのドイツ大統領と交流
ゴルフの松山、エイバルの乾に続いて、内田……スポーツの政治利用はダメで、スポーツ選手の政治利用はいいのか?!こんなことが当たり前のように行われて良いはずがない。(次は本田かも?)

沖縄米兵の救出報道 おわびと削除 - 産経ニュース28日)
何をかいわんや。「おわび」はいらない、廃刊を望む。

「相撲報道は不寛容な日本の象徴」「文春に何者かへの『忖度』感じる」連載休止した能町みね子さんが語る(29)
ワイドショーやニュース番組のコメンテーター(&貴乃花を持ち上げる似非相撲ファン)は、この人の発言を真摯に受け止めるべし。

泰明小学校―伝統と風格―
経済力と学力は緩い相関関係にあるもの。10万円近いアルマーニは、入学選別のための「制服」であることは間違いなし。

台湾の地震を受けた寄付金デマ 本人は誤り認め、謝罪「インターネットの怖さを痛感した」2月9日)
どこが謝罪?まったくのデマを「行き過ぎた表現」とゴマかし、そのデマを拡散しておいて「インターネットの怖さを痛感」と被害者ヅラ……厚顔無恥にも程がある。

安倍政権が“残業代ゼロ”裁量労働制を「契約社員や最低賃金労働者にも適用」と閣議決定! 財界の意向で"定額働かせ放題"29日)
まず「働き方」改革を、雇用者側のための「働かせ方」改革と言い直すべき。

 





2018/02/07

こんな「つぶやき」読んでます。



想田和弘
「自衛隊が合憲であることは明確な一貫した政府の立場だ。国民投票で、たとえ否定されても変わらない」というのなら、そもそも改憲する必要性ゼロでしょ。→安倍首相:「自衛隊合憲は不変」 改憲国民投票否決でも - 毎日新聞

松尾貴史
え先程来ですね、ずっとですね、聞かれた事に答えないという、まさに時間の浪費をするばかりのですね、ごまかしの状況において、いわばですね、いわば日本語がですね、通じているのか、という事すら危ぶまれる状況にあるわけでありまして、まさにですね、しっかりと、取り組んでいないわけであります。

デモクラシーな言葉
戦後60年振り返ってごらんなさい。アメリカくらい、戦争している、あるいは海外派兵している国はありません。朝鮮戦争からベトナム戦争、それからアフリカでの戦争、中東での戦争。毎年平和だって言って、どこかで戦っている。これに、いつまでもお付き合いできますか。(後藤田正晴元副総理)

春待ち能町みね子
貴乃花部屋の弟子の子たちは何も悪くないから、あんまり露骨に今の貴乃花さんの宗教への没頭ぶりとか、背任容疑の人とのおつきあいとか、はっきり書くのは遠慮してたんですけど、あまりにテレビ報道の「もみ消し」がひどいので結局全部書いちゃってるんだよな。。。悲しい。。。

小田嶋隆
しかしまあ、ここしばらくのワイドショーや週刊誌の持ち上げ方が影響しているのだとは思うけど、「腐敗した協会の体質は高潔な英雄的人物の力で根本から改革されるべきだ」みたいなお話を鵜呑みに信じ込んでしまっている人たちの数が少なくない事実にしみじみと恐ろしさを感じることです。

布施祐仁
憲法9条があって日本がアメリカに一方的に守ってもらっているうちは日米地位協定を対等になんてできるはずがないと言っている人は、日米安保や自衛隊の実像が見えていないか、日米地位協定を変えたくないか、あるいは地位協定の問題を9条改憲に利用しようとしているかのいずれかだと思う。

内田樹
おはようございます。名護市長選の結果を見て、日本もアメリカと同じように「国民的分断」の局面に入ってしまったなと思いました。「分断」とは政治的な対立が「同じ現実について別の表現や別の判断を下す」ことではなく、「それぞれ違うものを見て違うことを言っている」状態になっていることです。

アメリカでは民主党共和党の支持者たちの多くは「相手はフェイクニュースを見て、嘘を現実だと見間違えている」と信じているそうです。それでは対話も妥協もすり合わせもできるはずがない。どちらも「メディアは嘘をつく」という点だけでは合意しているのですが、それが国民的分断を生み出している。

メディアの劣化はかなりの程度まで政権が仕掛けたものですが、それが奏功して、国民の分断はしだいに回復のむずかしいところまで進行しています。ナショナリズムは「国民」の構成要件をできるだけ狭く限定して、残りを「非国民」として排除する態度のことですが、それを抑制する言論が弱っています。

星田英利
「あさイチ」イノッチも有働アナも辞めちゃうのか。。。朝ドラカーネーション時代に僕が演じてた役が死んだ時、スタジオ受けで「北村死んだー!!!」と叫んでくれて“北村死んだ”がトレンド1位になったことは忘れません。笑 何回か出して頂いた時も本当にトークがしやすくて。名コンビ、寂しいな。

コトノハ舎(ツイートもどき)
映画『スリー・ビルボード』……真っ赤な3枚のビルボードに込められた「怒り」。その怒りを発端に巻き起こる負の連鎖の果てに、人々の心はどこへたどり着くのか? 怒りと赦し(あるいは暴力と神)をテーマに、アメリカ社会が抱えるジレンマをブラックユーモアをちりばめながら淡々と描き出したヒューマンドラマ。とにかく、すごい!の一言。言うならば、コーエン兄弟とクリント・イーストウッドの作品を足して割ったような渋くて深い味わい。ぜひ、劇場で!

(以下、リツイートもどき)
今は亡き吉本隆明さんの長い「つぶやき」……吉本隆明『「ならずもの国家』異論』(2004年/光文社)より。

自衛隊についていってみます。自衛隊はどういう場合に動かせるのか。どういう場合に動かせないのか。まずそれをはっきりさせる。つまり自衛隊を動かすなら、どういうときに動かすことができるんだという組織と制度を国内的にちゃんとつくることです。たとえば、各職業、各階層から100人なら100人の委員を任意に選ぶ。そしてその委員たちの全面的な同意がなければ自衛隊は動かせないという、真の意味でのシビリアン・コントロール(文民統制)にしてしまうのです。そうすれば自衛隊は国軍というより自警団にちかい存在になって、非戦の条項にも一歩ちかづくのではないかとおもいます。
憲法改正についていえば第9条は取ってしまうのか、そうではなくてなおさら重くするのか。ぼくじしんは平和憲法第9条についてこういう思いを抱いています。あの非戦の条項は敗戦間もないころの国民大衆の実感に適っていたし、しかも百数十万人の国民大衆の戦争死によってあがなわれた唯一の戦利品だということです。敗戦直後の焼け野原、食べ物その他の生活必需品の欠乏、あるいは職もなく家もないという情況のなかで、戦争はもうたくさんだという国民大衆が心底から同感した条項、それが第9条でした。思想的にも世界に先駆けた優れた条項で、どの資本主義国にもどんな社会主義国にもない「超」先進的な世界認識だといえます。だからぼくは、日本はこれを外に対しても具体的に主張したり宣明できるようになるべきだとおもっています。いいかえれば、この非戦条項を外に対しても打ち出すことによって、アメリカやロシアという軍事大国だけでなく、世界中の国家意思を変更させること、それを日本の積極的な外交活動の目標とすべきだとかんがえているのです。

憲法にある「非戦」という思想をできるだけ広く開くこと。どこかの国が攻めてきた場合以外は自衛隊を動かせないというのではなくて、動かせないならもっと広範囲に動かせないようにしてしまうこともかんがえてもいいわけです。
平和を保持するために、また非戦条項を国際的にするために、非戦や平和ということについて日本が主導権をもち、また責任も負うようなかたちで世界を変えてしまうことができるなら、それがいちばんいい。

理想論、空想論でもいいから、日本の姿勢をはっきり打ち出すことが重要です。
いちばんまずいのは、いまのようにどんな変え方もしないことです。第9条と前文とはそのままにしておいて、それに違反すること、たとえば自衛隊の存在や活動は内緒にしておいたり、一時的な取り決めをつくって曖昧にしてしまうことです。いまのまま条文は何もいじらないで、アメリカとそれに敵対する勢力との確執や戦闘がはじまった場合はつねにアメリカ一辺倒で、アメリカを全面肯定するというのがいちばんだめなやり方です。どこにも進歩がないし、何も変わらないからです。
どこからはじめるか、何から手をつけるかはともかく、すこしずつでも改変していくならまだ希望がもてますが、いまのままだらだらと憲法もいじらないし、自衛隊もいじらない、非戦条項もそのまま放り出しっぱなしでアメリカ一辺倒というのでは話になりません。これほどひどい偏り方はないじゃないかといいたくなるほど片方に寄ってしまうわけです。それがいちばんつまらない、いちばんよくないやり方です。

 

2018/02/04

読まずに死ねるか!『13・67』




岩手県・大船渡市に住むミステリー小説好きの友人Y君からの賀状に「ヴァランダー警部、フロスト警部がもう読めないと思うと寂しい限りです」と書いてあった。

恐らく、ヴァランダー警部シリーズもフロスト警部シリーズも読んだことのない私に「面白いから、読んでみたら?」と彼流の言い回しで勧めてくれたのだと思う。

そんな謙虚で情に厚い旧友が長年愛読していた「フロスト警部シリーズ」の最終作『フロスト始末』を抑えて、「週刊文春ミステリーベスト10」で堂々1位に輝いたのが、先日読み終えた香港警察小説『1367』(陳浩基/[]天野健太郎)。

ん?と首を傾げたタイトル『1367』は、香港に反英運動が広がった1967年から民主化を求める「雨傘革命」前夜の2013年までを表している。(年号が逆になっているのは、物語が現在の事件から過去の事件へ遡っているため。中国返還後の現在→香港の主権がイギリスから中国へ返還された1997年→イギリス統治時……という風に、逆年代記的にそれぞれの時代や複雑な世相の中で起こった6つの難事件が解かれていく)

主人公は、「天眼」の異名を持つ香港警察の生ける伝説・名刑事クワンと、彼の後輩であり愛弟子の刑事ロー。
腐敗しがちな権力組織の中にありながら「正義を重んじ、市民を守る」という信念を貫き、権力におもねることなく犯罪に立ち向かう二人の悪戦苦闘を本流に、50年に渡る香港社会の変遷がそれぞれの事件の背景として定点観測的に描かれる……

というボリューム満点(上下段480頁)の大河ミステリーだが、卓越した推理力を持つクワン刑事の知力(&独特のロジック)を尽くしての謎解きもさることながら、この小説の楽しさ&魅力は、訳者も語っているように「ストーリー(犯人)を追っているうちに、まるで香港の街を歩いているかのように、風景が眼前に広がってくること」であり、「市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う」という重厚なテーマを内包した社会派ミステリーとしての側面も備えているところ。
加えて、展開される人間ドラマは濃密であり、二転三転のストーリーの果てに「あっ!」と驚くような意想外の結末が用意されているという、その構成力の見事さ、素晴らしさ。(帯には《ヤワなミステリーは道をあけよ!》と、警察小説の名手・横山秀夫による絶賛の言葉も…)

もし、今は亡き“面白本のおすすめ屋”内藤陳さんが生きていたら、「読まずに死ねるか!」と声高らかに叫んでいたに違いない「超・面白本」。ミステリー・ファンならずとも、ぜひ、ご一読を!

ちなみに、本作の映画化権を取得したのは香港の名匠「ウォン・カーウァイ」とのこと。映画がいつ完成するのかは知らないが、「観ずに死ねるか!」と、今からその日が楽しみだ。

※今日は注目の名護市長選(残念な結果に終わったようだ)……いつものように「立憲民主くん」
 のツイッターを見ていたら、「立憲民主くん」らしからぬリツイートを発見し、思わず笑ってしまっ
 た。(ツイートの主は「レオナ」さん。その内容の真偽の程は分かりませんが…)

《小田急線で男女が大声でケンカしてる。どうやら女性は付き合うつもりだったのに男性の方がそのつもりがないらしい。男「悪いけど(名前)のことは妹にしか見れない」という言葉に対して、女「妹にしか見れないならヤッてんじゃねぇ!変態か!」と言われている。車内に確かにその通りという空気が》