2017/05/29

10日間のメモ②



19日(金)
「秩父」で、進行中の仕事の打合せがあり、朝8時に家を出た。

所沢で特急レッドアローに乗換え「西武秩父」に着いたのは10時前。駅周辺は、平日にも関わらず老若男女の観光客でいっぱい。今年4月にオープンした「駅前温泉 祭の湯」が大盛況のようだ。

迎えの車に乗り「荒川村」へ。奥秩父の豊かな自然に囲まれた村付近ではサルの姿を目にするのはよくあることだが、車道に鹿やイノシシが飛び出してくることも度々とか。(途中「クマに注意」の看板も見かけた)

先方との打合せは午前中で終了(ロケ撮影は67日~8日に決定)。「祭の湯」の“呑喰処”で蕎麦を食べ、駅周辺を少し散策した後「レッドアロー」に乗り込んだ。

20日(土)
新宿武蔵野館で、アメリカ映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を観る。

辛すぎる記憶から逃れられずに、刹那的でひたすら空虚な日々を送る主人公リー(ケイシー・アフレック)の救いようのない絶望と孤独、そして予期せぬ出来事から始まる再生の物語……兄の死により思いがけず後見人となった甥パトリックの為、自分ができる最善の事を考え行動し始めるリーの姿に心を揺さぶられながら、「人を救うのは、人」という当たり前のことに改めて思い至る印象深い作品だった。(映画の宣伝コピーは《癒えない傷も、忘れられない痛みも、その心ごと生きていく。》)

22日(月)
朝から嬉しいニュースあり。

リーガ・エスパニョーラ、エイバルに所属する乾貴士がFCバルセロナ戦で2ゴール、ACミランの本田圭佑もホームのボローニャ戦で直接FKによる今季初ゴールを決めた。

当然、乾の2ゴールも賞賛に値するものだが、私的には、出場機会に恵まれないまま今季限りでミランを退団する本田の劇的「惜別ゴール」が感涙モノ。
彼の強靭なメンタリティと、プロとして弛まぬ努力を続ける姿勢には、心底頭が下がる思い……釜本やセル爺(セルジオ越後)が何と言おうと、声を大にして言いたい。まだまだ日本代表に本田は必要だ!

23日(火)
午前中の早い時間に、めずらしく携帯が鳴った。「明石」のクライアントからのものだったが、電話の相手はあまり面識のない総務のI部長……「はて、何事?」と思ったが、新たな仕事の話「リクルート用ビデオ制作」の依頼だった。

通常、私が映像制作を請負うことはないのだが、先月立ち上がった新しいコーポレートサイトの評判が上々らしく、社長直々「良いホームページを作ってもらったし、ウチのことをよく知っているYさんに頼みなさい」という言葉があったとのこと。
となれば、多少畑違いの仕事でも断るわけにはいかない。何とか期待に応えなくてはと思い「では、私の方で映像制作を手掛けている人間にあたってみます」と返事をして携帯を切り、すぐに代理店の営業部長で長年の盟友JINさんに連絡を取った。(6月一杯で、JINさんは代理店を退社。独立して広告営業の仕事を続けるらしく、「映像制作なら一緒にラジオCMを作ったK社があるし、できますよ、やりますよ」との心強い返事)

25日(木)
前川・元文科省事務次官「記者会見」……

証人喚問要求を拒否する官邸及び自民党の態度に腹が立つのは言うまでもないが、(個人的に)特にムカつくのは政権ベッタリの御用新聞・読売(お陰で巨人を応援する気も失せた)と、文科副大臣ということで度々テレビに映る「元ヤンキー先生」変じて、現在は国家主義的な教育観を展開している自民党所属の衆議院議員「義家弘介」の姿&不遜な態度。

15年近く前、法務省の「人権啓発用冊子」制作の依頼を受け、当時「ヤンキー先生」として様々なメディアで紹介されていた彼の話を載せようという企画のもとに、直接インタビュー取材をしたことがあるが、その際の清々しい印象はどこへやら……

取材中「自分の生き方を見つめ直すきっけになったのは、ヘーゲルの書物を読み、弁証法を学んだこと」と真摯な眼差しで語っていた彼だが、今やアンチテーゼの意味すら忘れた上から目線の嫌なヤツ。とても己の矛盾を相対化しアウフヘーベンしようと考える人間には見えない。
(今の彼を見ていると、あの頃、出来上がった冊子を見せながら「ヤンキー先生、気さくで真面目で偉ぶらない、すごく感じの良い人間だったよ」と友人たちに話していた自分を思いだしイヤになる。彼の恩師・安達先生もその変節ぶりを淋しく思っていることだろう)

26日(金)
11時から、赤坂にある広告代理店の会議室で「ビデオ制作」の初回打合せ。

打合せ後、JINさんとランチ。豚の角煮定食を食べながらの話題は主にサッカー。「U20(堂安律、久保建英、小川航基)」「日本代表(本田・香川・大迫・清武・久保裕也・吉田麻也・昌子源)」などなど。

以上。代表戦(W杯アジア最終予選、アウェーでのイラク戦)もあるし、再度の「明石出張」もありそうで、6月も何かと忙しい月になりそうだ。


10日間のメモ①




516日(火)
出張打合せのため、1250分発の「のぞみ」に乗車。新大阪で神戸線・新快速に乗換え明石→舞子へ。送迎バスに乗り、明石海峡大橋&瀬戸内海が眼前に広がるホテル舞子ビラに着いたのは17時頃だった。

18時半、翌日の会議に同席する経営コンサルタントのY君到着。フロントで待ち合わせ、ブラブラ歩きながらその夜の酒場『KANADE BISTRO il Carneria』(カナデ ビストロ イル カルネリア)へ。

神戸らしい洒落た雰囲気のワインバーだが、料金はいたってリーズナブル。シェフがおまかせで出してくれるイタリアン風の串焼きが実に美味い。おかげでワインを呑みすぎ店を出るころにはほぼ酩酊状態。「もう一軒!」というY君に付き合いはしたものの、何を飲んで、何を食べたか、ほとんど記憶なし。

深夜2時半、つけっぱなしのテレビの音で目が覚め、煌々と明かりの灯る部屋で暫し呆然。

17日(水)
5時半起床。熱いシャワーで意識をシャキッとさせた後、瀬戸内海を眺めながら朝食。
9時半、Y君と一緒にクライアントが差し向けてくれた車で「本社」へ。

到着後、旅館の宴会場のような広い和室(遠方からの来客用に設けられた部屋らしい)に案内され、予定通り10時に制作会議スタート……クライアント側の参加メンバーは社長以下7人。
初めに企画内容(制作コンセプトおよび構成案)を説明し、それを基に意見交換を行う形になったが、ほぼ提案通りに方向性が決まり、細部を検討する作業を先方に委ねて12時前に閉会。
Y君共々帰路に就く。

途中、午後の予定のない私だけ京都で下車。京都国立博物館で《開館120周年記念特別展覧会「海北友松」》を観る。(「特別展」は4日後の21日で終了のため館内は大混雑で入場規制中。待ち時間約30分)

海北友松(かいほうゆうしょう)は桃山時代の絵師。その当時、彼の絵師としての名声や評価は、狩野永徳・長谷川等伯についで、非常に高いものがあったそうだが、私同様、その名を知らなかった人は多いはず。でも、祇園近くの「建仁寺」大方丈障壁画の雲龍図(重要文化財)を描いた絵師だと分かった途端、既知の人物のように思えてくる不思議。その日の会場でも、思わず「スゲ~」と声が出るほど、その絵の迫力は圧倒的だった。(北野天満宮、勧修寺などの「龍図」のみを展示したエリアもあり、薄暗い室内に浮かび上がる幻想的な龍の姿に、暫し感嘆)

また、「野馬図屏風」「牧牛図屏風」など、400年以上も前に描かれたとは思えないほど斬新で自由な生き生きとしたタッチにも驚かされた。

そんな感じで1時間ほど鑑賞した後、出口で厚さ3㎝ほどの分厚い図録を購入。1530分頃、その重さを腕と肩に感じながら京都を発った。

18日(木)
終日のんびり。

TSUTAYAで映画『怒り』をレンタル……原作にないエピソードも随所に散りばめられ見応え十分の一作。宮崎あおい&松山ケンイチ、妻夫木聡&綾瀬剛(のゲイカップル)、森山未来、広瀬すず、渡辺謙などなど、キャスティングも実に良かった。(特に綾瀬剛、人気が持続するのもナットクの演技力&乾いた存在感)

夜はNHK『SONGS』。オーディエンスの心を掴む歌唄い「竹原ピストル」の野太い声に琴線を揺さぶられ、若者たちが泣いていた。(やっぱいいね~、ピストル!)


2017/05/16

お元気でした「井上陽水」




先週の木曜(11日)、約2年半ぶりに陽水のライブに行ってきた。

メンバーは、私とツレと義姉のMARIKOさん3人。会場は渋谷から三軒茶屋方面にバスで約10分の「昭和女子大 人見記念講堂」。

開場1810分。7割方中高年の男女で占められた会場内には、ファッションデザイナーのドン小西氏の姿もあった。(並んで座っていた熟年女性共々、流石のファッションセンス!)

開演1840分。演出効果を高めるスモークが漂う中、陽水登場……オープニングは《僕はなんだかこの頃とっても妙だ/二人きりでも一人になってるようだ/使いならした日本語も/覚えかけてた計算も/君のことまでそのうちに忘れそうだ/その訳がわかるまで そのままで/ただ待ってておくれよ今日は/Ah~誰かさん Ah~誰かさん》というシュールな歌詞を伸びやかなボーカルで聴かせてくれるノリのいいナンバー「この頃、妙だ」。

その後、アップテンポの2曲を挟んで「青空、ひとりきり」「Tokyo」「移動電話」「5月の別れ」とお馴染の曲が続き(「移動電話」をライブで聴くのは初めて。ちょっと感激)、11曲目は《未来の あなたに/幸せを 贈る/記憶と 想い出を/花束に 添えて》と、しっとり聴かせてくれる極上のバラード「瞬き」(NHK『ブラタモリ』のエンディング曲。その前の「女神」はオープニング曲)。

そして、本編ラストは亡き筑紫哲也のNEWS23のエンディングを飾ったこともある「勝者としてのペガサス」……憂いを帯びた陽水の声が満員の講堂に響き渡った。


アンコール1曲目は「アジアの純真」。今まで座っていた観客も徐々に立ちはじめ、2曲目「夢の中へ」で総立ち状態に。(もちろん、私も立ち上がり、手拍子・拍手で掌が痺れるほど弾けてしまった)その鳴り止まない拍手の中、最後に陽水がプレゼントしてくれた曲は「夏の終りのハーモニー」。張り・伸び文句なしの素晴らしい声でしっとりと歌い上げ、「人見記念講堂」でのライブの幕を閉じた。

以下、当日のセットリスト。

01 この頃、妙だ
02 Pi Po Pa
03 フィクション
04 青空、ひとりきり
05 Tokyo
06 移動電話
07 5月の別れ
08 自然に飾られて
09 ワインレッドの心
10 女神
11 瞬き
12 ゼンマイじかけのカブト虫
13 心もよう
14 Just Fit
15 リバーサイドホテル
16 つめたい部屋の世界地図
17 限りない欲望を
18 氷の世界
19 勝者としてのペガサス

アンコール
アジアの純真
夢の中へ
夏の終りのハーモニー

 ※明日(17日)は朝から「明石」で制作会議。“前泊”の今夜は、共に会議に出席する友人で経営コンサルタントのY君と(ほどほどに)呑む予定。なので、もうすぐ家を出ます。


 

2017/05/10

朝から「テレサ・テン」



泣き出してしまいそう 痛いほど好きだから
どこへも行かないで 息を止めてそばにいて
身体から この心  取り出してくれるなら
あなたに見せたいの この胸の想いを………♪

昨夜、NHKの『うたコン』を観ていたせいだろうか、朝からテレサ・テンの歌が頭に浮かんで離れない。


「時の流れのように」「愛人」「つぐない」など、彼女の数ある名曲の中でも一番好きなのが、この「別れの予感」……
そういえば、去年公開された映画『海よりもまだ深く』(監督・是枝裕和)のタイトルもこの曲の歌詞からとられたものだった。
(同じ是枝監督の映画『歩いても 歩いても』は、いしだあゆみの「ブルーライト・ヨコハマ」のワンフレーズ。どうやら彼は昭和歌謡の中からタイトルをつけるのが好きなようだ)

♪海よりもまだ深く 空よりもまだ青く……

映画の中、ラジオから流れるテレサ・テンの歌を聴きながら「あたしは海より深く人を好きになったことなんてこの年までないけどね。ないから生きていけるのよ。毎日楽しく」と、良多(阿部寛)に話す淑子(樹木希林)の姿が印象的だった。

♪悲しさと引き換えに このいのち出来るなら
 わたしの人生に あなたしかいらない

羨ましいような、めっちゃ怖いような……どんなに憧れても、自分のいのちをも捧げるほどの「ドラマチックな恋愛」と遭遇できるのは、その傷と悲しみの深さも恐れず甘受できる限られた勇敢な人だけ。普通の人生には、懐かしいCMのコピーのような関係ができれば幸せのように思う。

すこ~し愛して、なが~く愛して。

CMコピーは糸井さん……まあ、すこし愛されるのも、ながく愛されるのも、それなりの努力と忍耐と多少の魅力が必要なんだろうけど)

なんだかテレサ・テンの歌から変な話になってしまったが、その間に雨は上がったようだ。

 


 

2017/05/05

今から楽しみな「1週間」



ゴールデンウイーク中の仕事は一段落。

昨夜は、ケーブルテレビの映画専門チャンネル「イマジカBS」で、『イーストウッド語られざる伝説』(アメリカ/2013年製作)を楽しんだ。
(映画人クリント・イーストウッドの秘話が、スピルバーグ、スコセッシ、メリル・ストリープ、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン、ヒラリー・スワンク、マーシャ・ゲイ・ハーデン等、アメリカを代表する監督や俳優のインタビューを通して語られるイーストウッドファン垂涎のドキュメンタリー)

「(映画作り役作りにおける)既成概念が彼の手で打ち砕かれていく」(ケヴィン・ベーコン)
「映画監督としての彼は“流れ者”だ。旅を続けながら、考え、発見し、作り上げていく」(スティーヴン・スピルバーグ)
「彼のもとで、俳優は自由を感じる」(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
「クリントは人を導くのが上手い」「女性的な繊細さを持っている」(メリル・ストリープ)

などなど。彼を知る映画人たちの言葉も印象的だったが、イーストウッド自身の言葉もまた渋かった。

 「あの頃は良かった…などと語る老いぼれにはなりたくない」

で、「イマジカBS」が、531日に87歳の誕生日を迎えるクリント・イーストウッドの新たな1年を祝して、527日~62日までの1週間「祝87歳!1週間丸ごとイーストウッド」と題し、イーストウッドが主演または監督を務めた45作品+ドキュメンタリー2作品を一挙に放映するそうだ。期間は527日(土)~62日(金)。

来週は、陽水のライブ(昭和女子大 人見記念講堂)&「秩父」で仕事の打合せ。再来週は半年ぶりの「明石」出張・打合せ。その後は「秩父」でパンフの撮影……という感じでかなりハードな5月だが、何とかやり切って10作品くらいは楽しみたいもの。さて、どうなることやら。

※今夜は、短期上京中のMOTOMI嬢を囲んで、いつもの仲間たちとの呑み会あり。久しぶりに“オケる”はず。