2017/03/24

証人喚問・雑感




今日の朝刊に「まるでバラエティー番組を見ているようだった」というデーブ・スペクター氏のコメントが載っていたが、私も同じような気分で昨日の証人喚問を見ていた。

その中身は概ね想定内という感じで、期待したような強烈な「爆弾」は飛び出さなかったが、腹をくくったようにスッキリした表情で話す籠池氏の「証言」は印象的で、ほとんど違和感を覚えることもなかった。特に多くの人が関心を寄せていた100万円の授受については、かなり具体的かつリアルに語られ、信憑性が高いのでは……という(勝手な)印象。

個人的に、籠池氏の思想・信条及び活動に何ら共感する点などないが、証人喚問を見ていた限り、生身の人間としての籠池氏は、デーブ氏のコメントにもあったように、良くも悪くも裏表のない正直な人だと思う。(むしろ、あまりに正直すぎるのでは?と感じたほど)

それより「バカじゃないの?」とイライラさせられたのは、思想的に籠池氏と近いはずの自民党「西田昌司」及び今や安倍政権の持ち上げ役と化した公明党の女性議員等、与党側の質問者の稚拙さ嫌らしさ(思わず「ガンバレ」と心の中で籠池氏を応援していた)……どちらが「不誠実」で「悪者」か、分かったものではない。

以上、しばらくは、「美しい日本」を作りたい人たちの、醜い足の引っ張り合いを楽しませてもらうことにする。

UAE戦・雑感




寝不足ながら、とても気分のいい一日。

理由はもちろん、久しぶりにハリルジャパンが快勝したせいだ。(しかも普通の勝利ではなく、最終予選突破に向けて大きな一歩となる勝利)

貴重な先制点を奪った久保、凄まじいスタミナと執念で走り続けた原口、久々の先発に応えて見事なセーブでゴールを守った川島、UAEのキーマン「オマル」を封じ込めつつ決定的なゴールを決めた今野など……見事な采配でアウェー勝利を引き寄せた監督ハリルホジッチを含め全員がヒーローと言ってもいい試合だったと思うが、敢えて一人だけ選ぶなら、11の局面を冷静に止め続けていた守備の要「吉田麻也」。

プレミアで経験を積み、今季は所属チーム「サウサンプトン」でも欠かせない存在として評価を高めていることは知っていたが、正直、代表戦で「マヤ」がこれほど頼もしくこの目に映ったことはなかった。(プレミアリーグの「今季最高速ランキング」で8位に入ったというし、走りのスピードもかなり上がっているのでは?)

これまで散々、「吉田に代わるセンターバックが欲しい」「伸び代もスピードもない」などと文句を並べてきたが、頭を下げて前言撤回。今後も「日本代表DFの要」&負傷欠場の長谷部に代わるキャプテンとして、ハリルジャパンを牽引してほしいと思う。

また、ACミランでの出場機会がないことを主な理由に「終わった選手」などと言われ「不要論」が巷に飛び交っている本田圭佑だが、その能力・精神力はもとより、積み上げた経験と大舞台での強さは代表屈指であり、これからも重要な試合に欠かせない選手であることは明らか。「世代交代」を焦らず騒がず、途中出場した今日のUAE戦のような形で若手との融合が図れていけば、ロシアへの道も、日本サッカーの未来も明るいと思うのだが……。

さあ、次はホームでのタイ戦(28日)。当然「勝ち点3」、できれば圧勝が見たい。

2017/03/22

「森友」&『愚行録』




先週、無事プレゼンが終わり(「頼んで良かった!」と大好評)、少し気が緩んだせいだろうか、さほど忙しくもないのにブログが滞ってしまった。

その間、メディアを賑わせていたのは、本来、敵対関係にあるはずの『日本会議の研究』の著者・菅野完氏(フリージャーナリスト)が籠池氏側のスポークスマンとしてメディアの前に登場したことにより、さらに怪しさを増し、下手なドラマより面白くなってきた「森友学園」。

見た目、胡散臭さが漂う二人が何故結びついたのか?と思うが、「保守の裏切り&とかげの尻尾切り」に反発する籠池氏と「森友問題を通じて、安倍政権&安倍政権を支える政治家(稲田、高市、西田、山谷など)及び大阪維新と極右組織」との繋がりを暴きたい菅野氏の利害が一致したということだろう。(故に、菅野氏の追及姿勢には陰ながら拍手を送りたいが、その発言自体は意図的で客観性に乏しいもの。当然、鵜呑みにはできない)

いよいよ明日23日は籠池氏の証人喚問。どんな爆弾が飛び出してくるのやら……(その前に「共謀罪」法案閣議決定。支離滅裂な国会答弁しかできないのに閣議決定とか、まったくふざけた話だが、事前の世論調査によれば「賛成」が6割超とのこと。これまた日本の淋しい現実)

さて、遅ればせながら映画『愚行録』(監督・石川慶)。

読後にイヤーな後味が残ってしまうミステリー小説のことを「イヤミス」と呼ぶそうだが、この映画の原作もその「イヤミス」。

冒頭のバスシーンから暗くジトッとしたイヤーな感じがスクリーンに漂う。(バス降車後の主人公の演技に、一瞬『ユージュアルサスペクツ』のケヴィン・スペーシーが重なり、ニンマリしつつも背筋がゾクッ)

で、ネタバレなしでどんな物語かと言うと……主人公は1年前に起きた「一家惨殺事件」の真相を追う雑誌記者・田宮武志(妻夫木聡)。彼が事件の関係者(被害者の会社の同僚や大学時代の友人・知人など)を訪ねて行うインタビューを通じて、さまざまな人々の心の闇が浮かび上がるという群像劇。

タイトル通り「愚行」としか言えないエピソードばかりで構成された映画だが、なぜか快感に近い緊張感を伴いながらグイグイ引き込まれてしまうのは、ストーリーの運び方が上手いから。(カメラも音楽も良いし、主人公に妻夫木聡、その妹に満島ひかりを配したキャスティングもグー、というより最早“鉄板”)

聞けば監督は、あのロマン・ポランスキーも出た「ポーランド国立映画大学」出身だとか(ちなみに本作品のカメラもポーランド人)。

というわけで、日本の「イヤミス」映画というより、どことなくヨーロッパの階級社会から滲み出るような虚無と悲観と退廃を感じさせる日本版「フィルム・ノワール」といった感じの作品。後味は決してよくないが、個人的には大満足の一本だった。

※残念ながらWBCはアメリカに負けたが、明日深夜(24030分~)は、サッカー日本代表にとって大事なUAE戦……テレビから離れられない一日になりそうだ。

 

 

2017/03/08

「バカヤロー」&近況




馬鹿野郎 誰とはなしに言ってみる

1ヶ月ほど前、こんな句が「朝日川柳」に載っていた。

その頃「トランプ」「天下り」「共謀罪」「南スーダン」などが紙上を賑わせていたが、今も気分は、右に同じ。

「金正男(暗殺)」「豊洲」「森友学園」「ミサイル」「極右政党台頭」「原発避難いじめ」等々……日々、各メディアから発せられる嫌なニュースに、言い知れぬモヤモヤが募るばかりで「バカヤロー」以外の言葉が見つからない。

中でも「森友学園」。今どき園児に「教育勅語」を暗唱させる幼稚園&小学校って、なんなの?(その姿に感動しちゃう昭恵さんもかなりな“おバカ”というほかなし。まあ、類は友…ということか)

「教育勅語」が正しいと信じることも、その普遍性を主張するのも思想の自由に含まれることだろうが、戦前戦中の軍国主義教育の要であり、憲法の国民主権と対立し、教育基本法とも衝突するものを公教育の場に持ち込むのは、どう考えてもアウトのはず。国有地払下げ疑惑以前に、こんな学校が法人として認可を受けること自体まったく理解できない。

また、日教組の「偏向教育」を散々批判・抑圧してきた連中が、この学園の「偏向教育」を黙認どころか「素晴らしい」と絶賛していたのも笑っちゃうほど呆れる話……でも、「こんなのアリ?!」と本当に笑ってしまったのは、開校が危ぶまれている小学校の校歌として懐かしの歌謡曲『あゝ青春の胸の血は』がテレビから流れてきた時だ。さすが、大阪の右翼学校。
最早、テレビ的に「森友学園」はニュースではなくギャグになりつつあるのかもしれない。

さて、そんな諸々の「バカヤロー」を頭の隅っこに置きつつ、近況をサクっと。

今夜、デザイナーのフェアリーから送られてくるはずのデザインカンプをチェックして、仕事も一段落。(12頁の施設案内パンフだが、今回、表紙イラストはバイトの同僚でもあるNさんに依頼。長い間イラストの仕事がなく腕も感覚も鈍っているせいか、進行途中に見せられた絵はお世辞にも「良い出来」とは言えなかったが、フェアリーの的確なリードのお陰で、いい感じに仕上がった。Nさんも「やはり絵の事を考えている時間は楽しい」と久しく忘れていた感覚を味わっている様子。頼んだ甲斐あり)
来週、そのカンプをもとにクライアントと打合せ、早目に撮影を進行して、ゴールデンウイーク前に納品できれば……という感じ。(昨年末から続いている「明石」の仕事は、先方の事情で未だゴール手前)

そんなわけで、読書は進まず(『騎士団長殺し』残り400頁)、映画も2週間に1本程度(その代わりテレビはよく見ている)。
ここ最近は『ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち』(監督:ティム・バートン)、『愚行録』(監督:石川慶)、『バンコクナイツ』(監督:富田克也)を観ただけだが、いずれも当たり。特に邦画2作が面白かった。その感想は近々に。